裁量トレーダーは、 エントリーポイントや決済ポイントを決定するために、チャート上に水平ラインやトレンドラインを引いたり、移動平均線の状態やフィボナッチでの確認をとったり・・・・そういった作業を行っていると思います。
前回は、こういった作業の効率化をはかるために、「AutoHotkey」や「BS_Object_Modifier」について触れてきました。
要約すると、「AutoHotkey」を使って、ラインやフィボナッチなどのオブジェクトをショートカットキー一発で作成し、作成したオブジェクトを弊社の「BS_Object_Modifier」を使い、ショートカットキー一発でオブジェクトの属性を変更するということでした。
今回、ご紹介するのは、オブジェクトのカラーと時間軸をショートカットキー一発で関連させる「BS_Object_Relationship」を中心にしたお話になります。
実は、ソフトウェアの企画段階からオブジェクトのワークフローを「AutoHotkey」→「BS_Object_Modifier」→「BS_Object_Relationship」をシームレスに繋げていこうと考えていました。
つまり、オブジェクトの作成からオブジェクトの修正、そして、オブジェクトのカラーと時間軸のリレーションをショートカットキーだけでストレスなしに行うことになります。
さっそく、プロトタイプを作成して実トレードを行ってみましたが、トレードのワーク作業を大幅に軽減することができました。
ツールを起動させるためには、ショートカットキーを覚える必要がありますが、ショートカットキーは自分自身で好きなように割り当てできるので覚えることはそれほど、苦にはならないと思います。
マルチタイムフレーム分析とオブジェクトカラー
マルチタイムフレーム分析をすることは、トレーダーにとって常識だと思います。
MT4では、たとえば、日足に引いた、水平線やトレンドラインは、1時間足や15分足にも表示できますし、逆に、1時間足や15分足に引いた水平線やトレンドラインを日足にも表示できます。
通常、上位足に引いたラインは下位足にも表示しますが、下位足に引いたラインは、上位足のチャートが見づらくなるので上位足には表示させたくありません。
MT4の標準機能を使って作成したオブジェクトは、何も指定しなければすべての時間足に表示されますが、表示させたい時間足を設定すれば当然、設定した時間足だけに表示されます。
しかし、通常の手順で設定するのは結構面倒です。
通常の設定方法
1.オブジェクトをマウスで選択し、
2.オブジェクトのプロパティーを表示させ、
3.表示選択のタブを選び、
4.表示させたい時間足にチェックを入れて
5.OKをクリックします。
しかも、この面倒な作業を時間足の設定が必要なオブジェクトの数だけ行わなければなりません。
さらに、トレードを行う通貨分、この作業が発生します。
そこで、開発したツールが「BS_Object_Relationship」です。
「BS_Object_Relationship」の基本的な考えは、オブジェクトのカラーとタイムフレーム(時間足・時間軸)を関連付けることです。
したがって、前もって、カラーと時間の関係を自分自身で決めておくことが前提になります。
最新バージョンの「BS_Object_Relationship」で定義できる組み合わせは最大24です。
1M,5M,15M,30M,1H,4H,日足,週足,月足、9種類のタイムフレームに2色づつ割り当てたとすると全部で18で、まだまだ余裕があります。
カラーと時間の関係が(最大24以内)決定すれば、これを「BS_Object_Relationship」に設定します。
設定が完了すれば、割り当てたショトカットキー押下で「BS_Object_Relationship」が実行され、一発で、オブジェクトを表示させたい時間足に変更できます。
もし、表示させたい時間足に変更が生じた場合は、このオブジェクトのカラーを変更した後、再度「BS_Object_Relationship」を起動すれば完了です。