『BS_Object_Creator』概要

このツールは、オブジェクト作成を効率化するインジケーターツールです。

以前、WINDOWSのショートカットキー作成汎用ツール「AutoHotkey」を使ってオブジェクトを作成する記事を書きましたが、『BS_Object_Creator』はMT4のオブジェクト作成に特化したツールになります。
「AutoHotkey」は非常に素晴らしいツールなのですが、WINDOWSにインストールして、設定用のスクリプトを作らなければならないので、少し面倒かもしれませんので、簡単に導入出来て、設定パラメーターのカスタマイズが簡単にできる『BS_Object_Creator』を開発しました。

ただ、「AutoHotkey」と機能的に全く同じなら、あまり旨味が無いので、実戦に役立つ機能を付加しました。

『BS_Object_Creator』の使い方と機能

『BS_Object_Creator』の基本操作

一般的にMT4でオブジェクトを作成する場合、ツールバーからオブジェクトをマウスの左クリックでドラッグして、チャート上にドロップする操作をします。
これは、PCに不慣れな方でも、非常に直感的でわかりやすい操作方法だと思います。

一方、『BS_Object_Creator』の場合は、まず、オブジェクトを作成したい場所に、マウスを持っていき、左クリックにより開始点を特定します。
次に、作成したいオブジェクトのショートカットキーを押します。
水平線や垂直線のような1点のチャート上の座標だけで完結するオブジェクトはこれで作成終了になります。

トレンドラインやFIBOのように2点のチャート上の座標が必要なオブジェクトを作成する時は、開始点を終点の座標までドラッグ&ドロップします。
MT4の標準機能とは操作が少し違いますが、直感的に操作ができるので、すぐに慣れます。
慣れてくると、快適にオブジェクトが作成できるようになりますので、MT4の標準機能には戻れなくなると思います。

打鍵サイクル操作について

『BS_Object_Modifier』などに多用している操作方法ですが、ひとつのショートカットキーに関連するオブジェクトなどを複数登録することによって、必要なショートカットキー数を削減して効率的な操作を可能にしています。
『BS_Object_Creator』の場合は、使用頻度が少なく類似のオブジェクトであるサインマークをひとつのショートカットキーに統合しています。
ショートカットキーを打鍵する毎にサインマークが切り替わります。

オブジェクト名称一時表示機能

サインマークのように打鍵すれば、識別できるオブジェクトならいいのですが、2点以上の座標の位置で確定するオブジェクトは、打鍵の段階では、オブジェクトを識別することができません。
この問題を解決するために、打鍵のタイミングでオブジェクトの名称をチャート画面の指定した位置に一時的に表示する機能を追加しました。
この機能は、すでに、『BS_Object_Modifier』などにも適用しています。

各オブジェクトのカラー設定

各オブジェクト毎にカラーを設定しますが、時間足毎にオブジェクトのカラーを設定することも可能です。(2019.5.24機能追加)
時間足毎にオブジェクトのカラーを設定する場合は、「各オブジェクト毎のカラー設定」は無効になり、全オブジェクトが時間足毎に同じカラーになります。

2019.6.3 カラー機能の拡張

オブジェクトカラーの設定方法は、「各オブジェクト毎」or「時間足毎」は、以前と同じですが、各オブジェクト毎に個別設定できるようになりました。
また、「時間足毎」に設定できるカラーを1種類から2種類に増やしました。
以前は、各時間足毎に1色しか選択できませんでしたが、各時間足毎に2色から選択できるようになりました。

2019.7.16 カラー機能の再拡張

時間足毎に設定できるカラーを2種類から3種類に増やしました。

オブジェクト作成後のカラー変更や線種などの変更は、『BS_Object_Modifier』を使えば簡単に行えます。
また、カラーと時間軸の関連付けは『BS_Object_Relationship』を使えば瞬時に行えます。
なお、操作方法は、統一していますので各ツールを意識することなく操作できます。

作成できるオブジェクトの種類

  • 水平線
    水平線を引く位置をマウス左クリックで特定し、設定したショートカットキーを押す
  • 垂直線
    水平線と同様の操作
  • トレンドライン
    トレンドラインの始点位置をマウス左クリックで特定し、設定したショートカットキーを押す。始点位置をマウスで終点位置までドラッグする。
  • 線形回帰チャネル(or標準偏差チャネル) 追加2019.7.16
    設定でどちらかを選択します。起動は、トレンドライン打鍵により行います。
    補助線(縦線)が表示されるので、終了点までドラッグドロップすればチャネルが作成されます。
    変更する場合は、起点または終点の補助線を移動させるか、チャネル本体を移動させるかどちらでも可能です。
    削除機能を使って補助線または、チャネル本体どちらかを削除すれば、すべて削除できます。
    MT4標準機能でも補助線はありますが、修正時には補助線が出現しません。補助線がある方が使いやすいので、改善しています。
    ただし、補助線を非表示にすることができません。
    補助線の非表示は、『BS_Object_Hide』を使えば可能です。

  • FIBO
    トレンドラインと同様の操作
  • 逆FIBO(裏あて)
    既存のFIBOの始点と終点を入れ替えを行って作成する。
    既存のFIBOをマウス左クリックで特定し、設定したショートカットキーを押す。
    FIBOを確認用によく使う方には意外と便利です。
    仕様変更>>2019.6.1 操作方法をオブジェクト変換機能に統合しました。
  • FIBOエクスパンション 追加2019.7.16
    目的の頂点付近でFIBOキー打鍵により、自動で仮作成しますので、位置調整が必要な場合は手動で行ってください。
    パラメーターによって自動仮作成用のひな型が作れます。
  • テキスト
    水平線と同様の操作
  • テキストラベル
    水平線と同様の操作
  • 四角形と楕円形
  • 図形を作る位置をマウス左クリックで特定し、設定したショートカットキーを押す。
    ショートカットキーの打鍵の都度、四角形と楕円形が切り替わる仕様ですが、、四角形なのか?楕円形なのか? 打鍵のタイミングでは判断しずらいので、チャート画面上に、メッセージを一時表示しています。
    >>仕様追加:2019.5.31

  • サイン(上矢印、下矢印、チェックサイン、ストップサイン)
    サインマークを作る位置をマウス左クリックで特定し、設定したショートカットキーを押す。
    ショートカットキーの打鍵の都度、サインマークが切り替わる。

  • チャネルとフィボナッチチャネル
    チャネルを作る位置をマウス左クリックで特定し、設定したショートカットキーを押す。
    ショートカットキーの打鍵の都度、チャネルとフィボナッチチャネルが切り替わる仕様です。こちらも四角形と楕円形のときと同じようにチャート画面上に、メッセージを一時表示しています。
    >>仕様追加:2019.5.31

よく使われるオブジェクトを選定しましたが、今後のバージョンアップで増やすことも検討しています。

そのほかの機能

  • リセット機能
    Escキーまたは、任意に割り当てたショートカットキーを押せば、以下の3つの機能を実行します。
    他のインジケーターとの絡みなどでEscキーが使えない場合は仕方ありませんが、非常に使いやすいのでEscキーを使うことをお勧めします。

    • 全オブジェクトを選択解除状態にします。
    • 完成していないトレンドライン等(ゴミ)を削除します。
    • マウス左クリックの位置指定をリセットします。(削除ショートカットキーを使ったオブジェクト削除の誤操作防止)

    補足:
    時間足を変更すると、全オブジェクトを選択解除状態にします。

  • オブジェクトデリート機能
    削除したいオブジェクトをマウス左クリックで特定し、設定したショートカットキーを押す。
    Deleteキーだけでは一回で削除できない当ツールで作成したチャネル補助線も一回で削除可能です。
  • 全デリート機能
    Ctrl+Deleteキーで、全オブジェクトを削除する機能です。
    従来のキーの組み合わせの場合、自分の意図しない削除(ロジック的には正解)が実行されることがあるので、Ctrl+Shift+Deleteキーの組み合わせに変更しました。
    これにより、通常利用においては、問題ないと思います。 (2019.11.13 仕様変更)

    なお、全デリート機能を無効にすることも可能です。

  • オートリセット機能
    オブジェクトをマウス左クリックで選択すると、選択したオブジェクト以外はすべて選択解除されます。
    選択したオブジェクトを再度クリックすると選択が解除されます。
    なお、この機能を使う場合、オブジェクトの選択は、全てワンクリックになります。

    『オートリセット機能』を使えば、現在選択中のオブジェクトが明確になります。
    『BS_Object_Creator』のようにプログラムからオブジェクトを選択した場合と、プログラムを使わずに選択した場合は、使わないで選択した方が感度が悪いようなので、オブジェクトが選択出来ていても選択状態が視覚的に確認できません。
    『オートリセット機能』をオンにすることで、こうした矛盾がなくなり、目的のオブジェクトが視覚的に明確化します。

    『オートリセット機能』のOFFは操作性が悪くなり、『BS_Object_Modifier』との操作の親和性も悪くなり、OFFにする意味がないため廃止します。

    >> 2019.5.26 『オートリセット機能』リリース 
    >> 2019.5.28 『オートリセット機能』オンオフスイッチの廃止

  • オブジェクト保護機能
    新しく作るオブジェクトが、既存のオブジェクトと重なるとき、重なった既存オブジェクトを自動的に選択解除状態にして、既存オブジェクトがずれたり、影響を与えないようにします。
    特に、2点座標が必要なトレンドラインやFIBOの作成は、効果を発揮します。
    この機能を使うための操作は特にありません。
  • オブジェクト変換機能
    マウス左クリックで選択したオブジェクトを変換する機能です。
    この機能は『BS_Object_Modifier』に追加すべきか迷うところですが、こちらに追加することにしました。
    使い方は、オブジェクトを選択した後に無変換キー(変換キーではありません)を押せば完了です。

    • FIBO + 無変換キー : 逆FIBO
    • チャネルまたは、フィボチャネル + 無変換キー : トレンドライン
    • 水平線 + 無変換キー : 右側水平トレンドライン(マウスポインターの位置から右側方向)

    Use situation
    チャネルやフィボチャネルは便利ですが、もう一本平行補助ラインを追加したいと思うと、チャネルをコピーするか、もとのチャネルに角度を合わせてトレンドラインを引かなければなりません。
    チャネルをコピーすると不要なラインができてしまいチャートが見にくくなります。
    こんな時にコピーしたチャネルをトレンドラインに変更してやればチャートワークの効率アップになります。
    右側水平トレンドラインは、開始ポイントから右側方向に水平に引かれたトレンドラインで、重要な節目が明確になるので、使っているトレーダーも多いと思います。
    一般的にはshiftキーを押しながらトレンドラインを引けば、こうしたラインが引けますが、水平線からも作り出せるので意外と便利な機能だと思います。

注意点

『BS_Object_Creator』と『MT4標準のオブジェクト作成機能』はロジックが異なるため、『BS_Object_Creator』を使ってオブジェクトを作成する場合、「ツールオプションのライン等の設定」は機能しません。

『BS_Object_Creator』の設定

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参考までに・・・ 開発者&利用者談 『BS_Object_Creator』の優れた点

『MT4標準機能』と比較すると、『BS_Object_Creator』の方が操作性に優れているので、『MT4標準機能』に『AutoHotkey』を適用して操作性を向上させたものと比較してみました。

以前、「MT4で裁量トレードを100倍効率↑する方法」の中に、『AutoHotkey』を取り上げており、『MT4』+『AutoHotkey』のメリットを説明しました。
ただし、『MT4標準機能』を『AutoHotkey』はショートカットキー化するだけなので、言ってしまえば、起動を早くするだけとも言えます。
もちろん、これは物凄いメリットです。

『BS_Object_Creator』の開発にあたって、『MT4標準機能』+『AutoHotkey』よりも少しでも優位性が高くなければ開発する価値はないのですが、『BS_Object』のシリーズの中で唯一オブジェクトを作成するツールが無かったので、作ってみたというのが実情です。
この時点では、理論的には、『BS_Object_Creator』の優位性があるとは思っておらず、とりあえず、運用してみて、現在利用している『MT4標準機能』+『AutoHotkey』と比較してみようと思っていました。

オブジェクト作成のスピードは、大差ありませんが、操作方法が『MT4標準機能』とは少し違うので最初は少し違和感を感じていました。
1日も使っていると違和感もなくなり、自然に操作できるようになりました。
ただし、特筆するような優位性は無いのですが、「ストレスなく使えて使いやすい」といったところです。

これでは、何の参考にもならないので、「ストレスなく使えて使いやすい」部分を具体的に上げてみます。

  • FIBOを引くときに誤って、他のラインをずらしてしまうようなことがない。
  • カーソルを十字のまま水平線や垂直線が引けるので、引きたい価格や時刻に正確に引ける。
  • 。始点と終点を間違って引いた場合もキー一発で修正できるし、逆FIBO機能がやっぱり便利。
  • 現在の時間足毎にカラー設定できる(2019.5.24追加機能)MT4標準にはない

以上のように・・・
特筆するような優位性は無いように思いますが、毎日頻繁に使うものなので、少しの使い勝手のよさが大きな差となってくるように思います。
オブジェクト作成機能を『MT4』+『AutoHotkey』から乗り換えても十分なメリットを感じます。

それでは・・・
『MT4』+『AutoHotkey』が不要なのかといえば、そうではありません。
『AutoHotkey』はオブジェクトのショートカット化だけでなく、たとえば、タイムフレームの切り替えなど、MT4の他の機能をショートカット化することが可能だからです。

ついでに・・・
もう御存じでしょうが、MT4にも予めショートカットキーが割り当てられています。
しかし、残念なことにトレーダーの為のショートカットキーの配置とは到底言えません。
おそらく、このままでは使い物にならないと思います。
これを解決してくれるのが『AutoHotkey』です。
『AutoHotkey』はMT4のショートカットキーを上書きして、使いやすいショートカットキーに置き換えることができるのです。

オブジェクトの適用についいての考察

トレーダーにとって、オブジェクトはエントリーポイントや決済ポイントを決めるために使うツールですが、トレーダーそれぞれで使うオブジェクトは異なると思います。
個人的には、移動平均線、水平線、トレンドライン、フィボナッチ・リトレースメントがあれば十分かと思いますが、チャネル、フィボチャネルがあれば、少しだけ効率アップできる思い追加しましたが、皆様が何を使っているのかわからないのが現実です。

フィボナッチエクスパンションもよく使われているようなので適用しようかと思いましたが、同じことが、より細かくフィボナッチ・リトレースメントで実現できるのであえて適用しませんでした。
→フィボナッチエクスパンションにも対応しました。
すべて、自分のトレードをベースに少しでも汎用性を持たせ、トレードに役立つツールを開発していますが、より良いツールをご提供するために、皆様の忌憚のないご意見をお待ちしています。